とくしまレポート、猛暑の午前中の阿波踊りのお話つづき・・・・。
8/12朝10時、興源寺の奉納踊りが終わったあと、徐々に強くなる
日差しの中を日傘差しながら、トロトロと駅へ向かって歩いていると、
ひょうたん島クルージングの航路の川のむこうに、娯茶平の衣装の
皆さんが、大勢いらっしゃるのが見えました。ちょうど、徳島中央公園の
裏側です。
水辺に突き出るようなデッキのある、小さい公園スペースで、女踊りの
皆さんがポーズを決める前で、カメラオヤジーズ?!が大勢パシャパシャ
やってました。どうやら、これがあのカメラのキタムラグループが出資してる
阿波踊り撮影会ってやつのようでした。
http://blog.kitamura.jp/25/4810/2010/08/_1736740.html
今回は、舞台と演舞場の前売りチケットこそ何枚か買いましたが、その他の
イベントについては、ほとんど何も前もって調べず、現地でのカンと
その時の運に任せて、行き当たったところを楽しむつもりでうろうろしてました。
こんな撮影会があることも、娯茶平さんだったってことも、何も知らず、
ただタクシー代ケチりたかったので、暑い中歩いてたら、偶然ぶちあたりました。
なんというか、阿波の神様に感謝!
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撮影会なんで、参加申し込みして、作品の応募とかもするようで、会費払った
おやじーずの皆さんは、リボンみたいのくっつけて、真正面の撮影ポイントで
撮り阿波してました。が、撮影エリア以外のところで見物・撮影する野次馬さんも
ぜんぜん許されていました。それなりに、足を止めて見物する人たちも
ちらほらいましたが、午前中だし、暑いし、駅の反対側は総踊りで盛り上がってる
最中だし・・・で、通りすがる人も少なく、ほとんど混雑することはありません。
見たいところから、好きなだけゆっくり見られました。
徳島で見ることの何がいいかって・・・・いっぱいいっぱいいいことありますが、
午前中のみずみずしい明かりの元で、こんな緑豊かなロケーションで、
ゆっくり阿波踊りが見られるっていうのも、東京ではまずなかなか遭遇できない
状況です。
徳島中央公園、ほんとによく手入れされた、美しい緑地公園です。表のほうは
オブジェがおいてあったり、茶店があったりして、ちょっと賑やかな景観ですが、
裏のほうは、水辺とそれを取り囲む岩と緑地が、静かにたたずむ「和」の空間を
演出しています。
川べりの公園のウッドデッキから、川を見下ろすようなアングルで
眺めると、まだ午前中のやわらかさの残る日差しが、キラキラと水面を
光らせ、しだれかかる木の枝がサラサラと風になびき、雰囲気はもう、
滝廉太郎の歌の「春のうら〜ら〜の すみだ〜がわぁ〜」って感じです。
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こんなところに娯茶平囃子が響くのか・・・と思うと、暑さも日焼けも、どうでも
よくなって、傘たたんで前に出たくなりますね。って、実際そうしちゃったから、
真っ黒けの夏休みの子供になっちゃったんですけど。。ww
演舞が始まるのは10:30からのようでしたが、すでに踊り子さんモデルにした
撮影は始まっており、そのうち、まだお囃子が鳴らないにもかかわらず、
カメラマンのリクエストに応じて、女踊りの皆さんが、音なしで踊りはじめて
くれました。「やっとさぁ〜」の声だけで、たおやかに踊る皆さんを見ていると、
後ろの水と緑の中から、鳴ってないのに三味線の音が聞こえてくるような
錯覚を覚えました。
やがて、鳴り物さんもスタンバイして、しっとりゆったりとした娯茶平さんの
魅力全開の組踊りが始まりました。桟敷ほど大勢ではありませんでしたが、
連長さんはじめ、各パートとも、舞台の先頭に出てくるような踊り子さんたちが
揃っていたので、見ごたえ十分ありました。選抜チケット代も払わずに、
こんなの見ちゃって悪くない?って思うくらい、持ってる駒惜しげなく披露して
おいでのようでした。川辺では、合計2回やりましたが、それぞれまったく
異なる組み立てで見せてくれました。しかも、舞台で見るより、自然光の下は
ずっとずっときれいなビジュアルですから・・・・。
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休憩後、公園内を移動し、後ろが岩肌の絶壁になる池の周囲が次の
撮影現場となりました。車の音が遠くなり、川向こうのビルも視野に入らなくなり、
エンジンを止めて川から見物するひょうたん島クルーズの船から聞こえる
解説の声もなく、先ほどにも増して、静かで美しい水辺でした。
三味線と唄がこんなにしっくりくるロケーションてないわぁ〜。
池のこちら側がおやじーずの撮影エリア。見物人はその後ろの木立の間から
池とその岸辺を臨みます。
娯茶平さんは池の向こう側に隊列を組み、ゆっくりゆっくり、ゆったりまったり、
池の淵にそって、こちらに流し踊ってきました。その独特の情緒が、この美しい
庭園風景とあいまって、ほんとに絵に描いたような風情です。
♪げに一刻も 千金の ながめを何に たとうべき〜♪ ですね、ほんと。
水面に、踊り子さんたちの衣装の影が映っていて、遠めに見ると逆さ富士のようで
きれいでした。午前中はちょっと風があって、水面が揺れてたので、ぼうっとした
影ですが、上記のカメラ屋さんブログ記事にある写真を見ると、達粋連さんの時は、
風がなかったようで、見事な「逆さ達粋連」になってますね。
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首都圏だけでなく、徳島でも、最近はどんどん鳴り物がアップテンポに
なってきてます。比較的ゆっくりめの連も、見せ場のところでは
高らかに太鼓打ち鳴らし、あげていく・・・っていうのが定石になりつつある
ような気もします。。。。
特に東京近辺では、「振興協会の鳴り物」を教え伝える動きが流行りというか、
どこもそこも、みんな「あれ」になってきて、本家の徳島阿呆連さんなど
見た時には、すでに食傷気味にすら感じなくもなかったかな・・・・・・(^^;;
そんな中、あげる演出も巧みに取り入れながらも、頑固なまでにまったり
地を這い、網打ち続ける娯茶平さんの姿は、流行廃りには微動だにせず、
かといって現状に満足せずに精進し続ける超有名連さんの、迫力と貫録の
オーラを放たれているようです。
暴れ踊りや、派手な道具使いに「粋」を感じやすい江戸っ子気質も、とても
理解できますが、大振りしない動きの中で、ずっしりと重くねちこく伝えていく
表現力の深みっていうのも、味わい深く愛してくれる関東人が、もっともっと
増えるといいなぁ〜。。。って最近思います。
まあ、好みはそれぞれで良いと思いますが、いろんな形のいろんな表現の
深みが理解できるようになったほうが、自分の好きなスタイルを極める上でも、
力になると思うんですけどねぇ・・・。まったり地を這う男踊りも、流行の
差し足でない上でリズムを取る女踊りの浮きの感じも、ずーっと見てると
たまらない色香だと、私は思ってます。
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そうそう、そういえば、まもなく、娯茶平さん、東京で舞台公演やってくれますね。
姉妹連の高円寺飛鳥連さんの40周年記念公演のゲストとしておこし
くださるそうです。
★ 飛鳥連 40周年記念公演 結 -ゆい-
9/11(土) 1部 12:00開場・12:30開演 2部 15:00開場・15:30開演 前進座劇場
http://www.asukaren.com/
もれ聞こえてきているうわさによれば、飛鳥連さんの今回の舞台は原点回帰を
目指し、歴史と文化を前面にだしたものに仕上げられているそうです。
初夏の江戸っ子さんのストイックで斬新なパフォーマンスの魅力とはまた違う、
娯茶平の姉妹連ならではの世界観を演出されていることでしょう。
幸い、チケットまだあるようです。振興協会鳴り物信者の皆さんも、提灯踊り
大好きな皆さんも、たまにはちょっとこんなんもじっくり見てみてはいかが。。。
と、最後はなんだか宣伝になってしまいましたが、別に飛鳥連さんに
なんかもらってるわけじゃありません。私の好みです。。。はははは。
とくしまレポート、まだまだ続きます。アップはぼちぼちですが、長く細く
お楽しみいただければ幸いです。へへへ。。
[今日の一枚]
今日はこれが今日の一枚。
私のカメラ、いわゆるバカチョンて
やつなんで、距離があると
これくらいの解像度が限界なんです。
文章先に読んだほうが、綺麗なイメージで
伝わるかな、とか思って最後にしました。
頭の一枚は、うるさいカメラマンの注文に
笑顔で答えてる、きとくな女踊りの皆さんww